Jan 8, 2016

働くことも、暮らすことも。育ててくれたこの地域への恩返し

父から学んだ地域を大切にする生き方

_MG_7390 高校時代夢中でサッカーをしていたことから、スポーツ関係の仕事に携わりたいと夢見ていた今野太陽さん。山形にはそういった職種が少なく、山形県立保健医療大学で勉強すると、地域にはリハビリをし回復を望む患者さんがたくさんいるという現状を知り、地域の回復期病院で働くという道を選びました。

子どもの頃から地域のお年寄りによく遊んでもらい、いつか恩返しをしたかったという想いも、仕事の選択に繋がっていきました。また在学中家族の体調が悪くなり、家族の支えとなるため卒業後はすぐ地元で就職をしたいと決めていました。

「昨年父が病気で亡くなりました。父は親戚付き合いや近所付き合い、地域そのものをとても大切にした人。私も家族が生きてきたルーツや、自分自身を育ててくれたこの地域が大好きです」。また、最近第一子が誕生した太陽さんが、わざわざ遊佐町から60分かけて鶴岡に通うのにも理由があります。「奥さんにも地域の中に溶け込んでほしいし、息子もここで地域の人たちに支えられながらすくすくと育って、いずれ息子にもこの地域に恩返しをしてほしいですね」。

高齢化が進み、お年寄りだけの世帯が増える中、若者の力が地域に求められていると太陽さんは言います。「若い人が地域にいるだけで、安心感がありますよね。もちろん私たちが地域から得ることも、たくさんありますよ」。

地域で生きることを誇りに

_MG_7458 太陽さんは患者さんとのコミュニケーションに特に力を入れています。「入院生活は決して楽しいものではありません。患者さんやそのご家族が今後どのような生活を送りたいのか、しっかりとお話を伺いながら不安を解消し、患者さんの良くなりたいという気持ちに寄り添ってお手伝いしていきたいと心がけています。患者さんが少しでも笑顔になってくれたらうれしいですね」。

そして日ごろから様々な情報収集も欠かしません。「今は情報があふれていますが、必要な情報もアンテナを張らない限り入ってはきません。住まいの地域の特徴や、患者さんの好きなテレビ番組は、同じ話題で盛り上がるためにも、重要なものですよ」。

患者さんが慕う太陽さんの笑顔の裏側には、地域で支え合う暮らしを大切にしながら生きることへの誇りと、常に患者さんの心に寄り添いたいと努力する姿がありました。そんな想いが通じ、患者さんからも「自然な気持ちでリハビリができる」と厚い信頼を受けています。

そして太陽さんは、仕事のかたわら障がい者スポーツにも関わりたいと、初級障がい者スポーツ指導員の免許と、日本ブラインドサッカー協会公認コーチの資格を取得しました。

また自身もサッカーを楽しむため、昨年学生時代にサッカーをしていた友人がUターンしたことをきっかけに、社会人サッカーチームFC DIMANCHEを結成。約20人で次なるリーグへ昇りたいと、週に3回の練習に励んでいます。太陽さんの充実した日々の源は、地域や家族を愛する気持ちでした。

スケジュール

勤務時間 9:00~17:30
週二日休み

オー、マイショウナイ!

家族が育ててくれた農作物

写真はメロンに囲まれる幼い太陽さん。「家族が育ててくれた野菜は本当に美味しかった。忘れられない味を教えてもらいました」。

プロフィール

◆今野太陽 (Motoharu Konno)
理学療法士。1988年生まれ、遊佐町出身。酒田東高等学校、山形県立保健医療大学卒業後、鶴岡協立リハビリテーション病院に勤務。初級障がい者スポーツ指導員の免許、日本ブラインドサッカー協会公認コーチの資格を取得。