Jan 8, 2016

「自由に生きる」ために。この畑から

働くために生きるのではなく、
自分らしく生きるための働き方を。

 月山高原で農業を営む高田さん兄弟は、ビジネスをするために「農業」を選びました。そもそも兄、庄平さんの高校時代の夢は“通訳”。国境を越え人々との交流に憧れ、大学ではアメリカに留学。

しかし趣味で始めたインターネットサイトで、日本では買えないスポーツグッズを輸入し販売すると、注文が殺到。そうした経験からIT企業の魅力にも惹かれ、卒業後は東京でシステムインテグレーターとして就職。

当時はオフィスと自宅の往復で毎日が過ぎ去り、季節すら感じられない生活で、終電で帰宅してから真夜中に仕事の電話が鳴る事が度々ありました。そのうち、働くために生きるのではなく、楽しく生きるために働きたいと思うように。

当時、大学に通うために庄平さんと一緒に暮らしていた弟の耕作さん。2人は自分らしく生きるためのライフスタイルについて考え、語り合いました。そしてたどり着いた答えが鶴岡での農業でした。

そして、大学で経済学を学んでいた耕作さんは今後の仕事に活かせるようにと、アパレルwebショップに就職して技術を学んでから鶴岡に戻ります。

ほぼゼロからのスタートでも、
この土地から始められること

塩アスパラ 小規模の農業を営んでいた高田さんの実家。しかし実際に戻り起業を試みるも、農業経験はなく、必要な農業機械も資金も殆どありません。まずはインターネットや本で情報収集し、日本各地に視察へ。経験者のもとで指導も受けました。「ベテラン花き農家の方が『花の栽培も30年、30回しか経験できない』とおっしゃっていたんです。

1年に1回しか手掛けられない現実。冬の厳しい山形では生産量では勝負ができないことを学びました」。ならば庄内の土地の気候風土を活かし、付加価値をつけようと、糖度を増加させ出荷する雪の下人参や、塩水が決め手となる塩アスパラガスの栽培など栽培方法に一工夫。現在はインターネット販売や収穫体験など観光農園の企画、そして鶴岡市内のスーパーや産直10店舗を主とし、県内外に販売しています。

アスパラガスはレストランにも直接販売をし、料理教室も主催。今後は東京の大手百貨店への出荷も決まっているとのこと。「お店で陳列している時にお客様に声をかけてもらえるのがうれしいですね。連絡先を調べ『今年はあの野菜いつお店に出してくれるの』と直接電話を下さる方も。作り手の想いが届いているのだと実感しています」。

より作物の量も質も向上していきたいと目標を語る二人。地域の親世代、農業経験者が持っている力を借りたり、障がいを持つ方の働き場所としても展開していきたいと計画しています。

「庄内の農業は美しい風景と四季の移ろいを感じられるのも魅力です。雪のない時期に人の5倍ぐらい働いて、冬はハワイでサーフィンを楽しむ!それが将来の目標ですね」。突き進む兄と、それを支える弟、二人の挑戦はまだまだ続きます。

スケジュール

朝8時頃~日暮れまで
不定休

オー、マイショウナイ!

月山高原活性化センターから見える景色(鶴岡市)

周辺の畑地と庄内平野が見渡すことができます。天気が良ければ、鳥海山や金峰山、遠く飛島まで!清々しい風景です。

プロフィール

◆高田庄平(左・兄) (Shohei Takada)
エコファーマー&野菜ソムリエ。
1983 年生まれ、鶴岡市出身。鶴岡東高等学校、青山学院大学卒業後、IT企業に勤務。2010年にUターンし、自ら育てた野菜をネット販 売・直売する「ベジパレット」を立ち上げる。

 

◆高田耕作(右・弟) (Kosaku Takada)
エコファーマー。1989 年生まれ、鶴岡市出身。鶴岡東高等学校、拓殖大学卒業後、アパレルweb ショップに勤務。2012 年にU ターンし、ベジパレット副店長を務める。

 

ベジパレットホームページ
http://www.vegepalette.com/
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