Dec 14, 2016

福祉の専門知識で、地域に貢献したい

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「世の中には自分が知らないだけで暮らしに問題を抱える人たちがいると知って。その人たちの役に立てる仕事はとても素晴らしいなぁと思ったんです」。

東北公益文科大学に入学した今田さんは、授業で福祉の世界を知り、将来の仕事として興味を持ちました。まずは社会人としてのスキルを身につけようと、最初の4年間は地元の金融機関に勤務し、受付や営業の業務を経験。その間に福祉についての専門知識をもとに相談に応じてサポートを行う「社会福祉士」の国家資格を取得しました。

現在の職場である酒田市地域包括支援センターなかまち(以下センター) には、主に高齢者の方とその家族から、介護や生活に関する相談が持ち込まれます。「センターでは相談の方が来たらまずは全員で対応します。そして相談内容によって、権利や制度についての内容は私たち社会福祉士が受け、医療的な課題は保健師さんたちにお任せします。また適切な機関につなぐ事もあります。

酒田市内に10か所ある地域包括支援センターのうち、今田さんのセンターが管轄するのは最も高齢化率の高い地域です。地域全体の人口のうち、65歳以上が39%。一人暮らし世帯も多いためセンターで相談を受ける以外にも、高齢の家を一軒ずつ周ったり、地域内で元気に暮らしてもらえるよう、それぞれに合った医療機関、体操教室や介護予防講座などを案内したりもしています。

「すぐには心を開いてくださらない方もいるので、何度も同じお宅に通うときもあります。そういう中で、だんだん心を開いていただけると、ようやく困りごとを打ち明けてもらえる場合もあります」。

相談員という仕事は他人の深い悩みに触れるため、オフタイムのリフレッシュも重要です。「3人姉妹の末っ子なのでわがままです」と笑う今田さんの元気の源は、何と言っても家族の存在。現在は実家に暮らしており、年に一回は家族で遠出の旅行を楽しみます。また、その他にも週に一度は、ソフトバレーのチーム で体を動かすようにしています。

今田さんにこの仕事へのやりがいと、これからの目標を尋ねると、優しい笑顔でこう答えてくれました。「酒田の町が好きで。自転車でお宅周りをしている時に、日和山の下り坂を思いっきり下るのが好きです。この仕事に就いてまだ短いですが体のことやお金に困っている人が大勢いたり、すぐそばで起こっているのに見えていなかった現実を知り、衝撃も多いです。だけど相談してくれた人から、ありがとう、助かった、と言われたときは本当に良かったなって思います。相談してくださる方が安心して地域に住み続けられるように尽力できる知識を身につけるためにも、社会人になってもますます勉強が必要です。同じ業種の方たちともつながりながら仕事をしていきたいです」。

これまでも現在の職に就くまでに努力してきた今田さん。この芯の強さと実行力で、今後の目標もきっと達成していくことでしょう。