Dec 14, 2016

家族の目線で庄内暮らしを見てみよう 『庄内ママ対談』

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庄内で暮らすことを中心に、自分のやりたいことの叶え方や家族のサポートについて、自分らしく働きながら子育てをする2人の『庄内ママ』にお話しをしていただきました。


〈Shonai Style〉(以下S)まずは、お二人のお仕事を教えて下さい。

〈菅原〉うちのお店は、着付けとヘアセット、メイクを行う、髪を切らないお支度専門の美容室です。30歳から美容師学校に行き、免許を取得後に店をオープンしました。

〈竹村〉家族に手伝ってもらいながら夫婦でカフェを経営しています。安心なものを届けたいので、地元の食材を中心に心を込めた料理とおもてなしを心がけています。

〈S〉お二人とも、元から自営で仕事をしようと思っていたのですか?

〈菅原〉私は高卒で結婚式場にある貸衣装のお店で働いていました。25 歳位から、主人と晩御飯を食べながら、自営するなら何をするかをよく話していました。そんな時に、ドレスの試着でヘアセットをしていた花嫁さんに『当日の髪もこれでいいよね』と言ってもらえて、支度専門のお店があってもいいのかもと思ったのがきっかけです。その後、主人に今の給料と同じ金額は必ず持ってくるから!と宣言したのを覚えています。

〈竹村〉実は私もウエディングプランナーになりたくて、短大卒業後は神戸に行ったんですが、20歳の時にアルバイトしていたフランス料理店で飲食の仕事にのめりこんだんです。29歳で結婚して、同時期に、兵庫県の芦屋にあるダイニングバーの雇われオーナーになりました。鶴岡から野菜を送ってもらって、庄内の料理やお酒を出していたりしました。

〈S〉仕事と子育ての両立は大変ではありませんか?

〈菅原〉山形って、共働き率が日本一高いですよね。これって良い面もあって、時間ができた方が子育てに携わるのが当然だって、育児に協力的なお父さんも多いんです。うちもお父ちゃんが頑張ってくれてるから、娘2人は父親が大好きです。それに、行事も多くて地域とのつながりも濃いんです。

〈竹村〉うちも夫が面倒を見てくれて仕事も育児も二人三脚で両立出来ています。親族や地域の方など困った時に頼れる存在が多いのもありがたいですね。あのまま関西で夫婦共働きをしながら子育てをしたら心身が行き詰まると思ったので、自然が豊かで周りに頼れる人が多い庄内で子育てをしたいとUターン(夫はIターン)を決めました。みんなのお陰で仕事も子育ても楽しんでいます。実は私たちは子どもを生むことをあまり考えていなかったのですが、実際に出産して子育てしてみると、やはり子どもは素晴らしいなと思います。親族や頼れる人のいる地元での子育ては子どもだけでなく親にも良い環境な気がします。一度は故郷を離れ、外での経験を積むこともおすすめです。どんな仕事も自分の経験になるし、その後の人生の選択肢も広がると思います。

〈菅原〉成人式のお嬢さんをお支度していると「仕事があれば帰ってきたい」と言う子がすごく多くて。そんな方にお会いして思う事は、将来的に地元に帰ってこれるような仕事や学校に行く事も、選択肢にあってもいいかと思います。焦りや不安からとりあえず就職する事を目標にして給与などの条件ばかりに目が行くかと思います。でもそうではなくて、その先の目標にも目を向けてほしいと思います。私も、貸衣装に勤めてから美容師としてブライダルに携れてライバルが少ない田舎だから、少し変わった事をすると目立ちます。良いも悪いも口コミは早いですから、やり甲斐はありますよ。

〈竹村〉私も正直、地元に帰ってくるのが怖かったです。浦島太郎状態なんじゃないかって。でも帰ってきてみれば、一緒に子育てできる同級生や友人がいて、女性が子育てしながら仕事しやすいのはむしろ地方なんじゃないかなと思いました。独立したいと思ったら、都会はお金の積み重ねになってしまうけど、地元は人のつながりで助けてもらえることが多くて、密着度が違いますよね。仕事と生活を両立した生き方ができる。都会は営業事務、サービス業やIT 関連など会社勤めやデスクワークの仕事が多いですが、地方は1次産業から6次産業まで職種は多い気がします。生活に密着した仕事が多いので、やりがいも感じられるかもしれません。

〈菅原〉山形って自営業の人も多いですよね。農業関係の方が多いのもあるけど、デザイナーや建築家、本屋さん、写真家といった多様な職種の人を身近に感じられる。周りにそういう人たちがいると、将来の職業のイメージが広がりますよね。

〈S〉プライベートではどんな風に過ごしていますか?

〈菅原〉あまりきっちり分けて考えてないというか、仕事と生き方、生きがいがすごくつながっている感じがします。もちろん仕事と私生活は違いますが、つながってるんですよね。花を触ったりして、仕事につながるけどリフレッシュしてることもあります。

〈竹村〉私も、一人で料理本を見るのがすごく楽しいです。自分の栄養になっている感じがします。

〈S〉では、最後に、若い世代に伝えたいことを。

〈竹村〉高校卒業時の進路が人生を決めると思ってしまいがちだけど、そこが始まり。一回の決断が全てではないです。その都度、目の前にある事を精一杯していると、また次の道が拓けてきます。社会は意外に融通がきくのではないでしょうか。私の場合、やりたいことが見つからなくてずっと焦りを感じていた20代前半でした。あの頃は、まさか地元でカフェをするなんて想像もしていませんでしたが、いろんな時間があったからこそ今にたどり着きました。どんな選択をしようとも一歩一歩大事に進むと、いずれ自分らしい道を自分らしく歩ける気がします。

〈菅原〉これは私が前の会社を辞める時にしていた事ですが︑将来自分がどうなっていたいのか、書き出してみてください。間違いはありません。思いつく限りできるだけ沢山書いてください。そして口に出して宣言してみてください。私の場合は主人にでした。宣言する事で追い詰められるようで少し怖いですが、人に宣言する事でやらなきゃって気持ちになりました。将来の目標を早く見つけた人はそれだけで強みになります。就職や進学のその先にも目を向けてなりたい自分になる為に必要な事は何かを考え抜いてください。地元だから出来ることもありますよ!頑張りましょうね!